GO is GOD

昨日寄り道の帰り、後ろでロールス・ロイスが走っていました。
型の古いタイプでとてもかっこよかったのですが、乗ってる人2人とも前の座席にいました。
せめて一人は後ろ座れよ。

今回は予告通り、「砂の王国」の感想をば。
作者の荻原浩さんの作品をいくつかもってます。
おそらく代表作の「明日の記憶」や「誘拐ラプソディー」とか。
とんとん進む文章や、笑える要素があって、高校時代はお気に入りの作家さんでした。
その作者の上下巻に及ぶ長編作品をこの度文庫本で購入。
好きな作家であると同時に、裏表紙のあらすじ読んで即決しました。

証券会社をリストラされ、果てはホームレスとなってしまった山崎が、ホームレス仲間とともに新興宗教を立ち上げ社会に逆襲をかける話。
最初のホームレス生活の困窮ぶりはページを暗い気持ちでめくってました。
はやく逆襲しないかな、なんて思ってました。
でも登場人物の特技と性格がよくわかる場面だなと、読了して思います。
競馬で一山当てて、宗教を起こせました。金儲けを前提に、しかし表向きは品行方正な雰囲気をかもしだして信者を獲得していく展開は、信者の愚かさを笑う主人公・山崎を同じ気持ちでした。
教祖にたいする独占欲が加速して、ガラクタを競る婦人方、傾倒する若者。
なんで届かない人間にこんなにも精神的、金銭的手間をかけることができるのか。
裏切られることを考えてはいないのか。見向きもされない可能性を考えないのか。
そんな信者に対する感想よりも、山崎の愚かさにも考えることがありました。
教祖の幹部として表向きは活躍しているが、実はこいつが最高の権力者であり、教祖のスピーチから行事企画まで手がけていました。
ただ神経質で独りよがりな性格で、次第に求心力は失われていきます。
こいつの気持ちにはずいぶんと同情しました。生い立ちとか性格に似た部分がいくつかあったもので。
しかし突き放してみれば贅沢なんだよなあ…。
宗教についてつらい過去を持つ山崎が、自分を苦しめた宗教で逆襲を仕掛け、宗教に命を狙われる。
万事うまくいくと考えていた(ぼろがでないよう対策はやってたうえで)山崎のほうがよっぽど愚かだと思いました。
自分のプロデュースがなければこの会はやっていけないだの考えていたはずです。
でもそれは自分の制御の効く規模での話。
意思を持つ人間が増えれば増えるほど、山崎は首を絞められます。
自分が作ったものに翻弄されていく展開にはページをめくるのが楽しみでしょうがなかったです。
初期会員の権力介入、メディアの露出、果ては決別。
終盤のやや急ぎすぎな展開には納得いきませんが、そのラスト40ページから人間不信に陥るくだりは怖かったです。
宗教に限らず、ある空間ある社会にいた経験があれば感じるものです。
宗教が成長していく過程ってだいたいこんな感じだって思いました。
あと、自分の思い通りのものを作るという困難さも。
山崎みたいに神経質のきかん坊ならなおさらだわ。
人間の汚く暗い部分がしっかり描かれていて、バカだなと思うと同時に自分もバカだなと思いました。
物語は山崎が逃げたところで終わります。
そこから先を妄想するならば・・・・。
山崎が抜けた「大地の会」は選挙にこそ敗れたものの順調に会員数を伸ばしていった。
そんな中、宗教施設の増設などの金回りの良さを国税が不審に思い捜査に乗り出す。
・・・・・マルサの女2じゃないか。

全国の教祖を目指す人たちへ、砂の王国を読んで一度シュミレーションしてみよう!
私もそろそろイタコ芸で一旗揚げようとしてたところだったので。
と、宗教で痛い目見た人間が申しております。

なんにせよ、宗教は自分や周りの人間の人生や環境に大きく影響するから気を付けてね。

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